軒率リサーチ、再び。

imagine

2007年12月29日 15:38








おいおい、天気予報によれば雪が降りそうなんだと。

最近はなんだか夕暮れ時の到来に、沈む夕陽を見つめながらしんみりとしてしまいます。昔の記憶を甦らせて、なんともいえない郷愁に誘われたりして。そんな心持ちになるのは、ステレオタイプに侵された大脳のせいなのか、はたまた四季を慈しむ日本人の持つDNAのせいなのか・・・。

で、私が甦らせた記憶と言うのは、あんなものだったりする。これがあんなものでなく、ほろ苦い遠い昔の初恋の想い出だったり、何年たっても顔を赤らめてしまう初体験の想い出だったりすると、ちょいとオサレなコラムのイントロダクションになるのだが、あんなものだとそうはいかないなぁ。


あんなものとは、ここ数年で閉店していったラーメン店の味の記憶なのであるw
「あー、あの一杯をもう一度食べたいなぁ」とかね・・・。

ここ数年で、佐賀市内だけでも数多くのラーメン店が閉店した。特に屋号に「軒」がつくお店が多かった。
三九軒、栄幸軒、再来軒、巧龍軒、西洋軒、洋々軒、等々。

で、以前調べた「軒率」を再びリサーチしなければという義務感を強く感じた。九州の各市ごとに、ラーメン店のうち「軒」が屋号につくお店の比率を調べるという単純なものなのだけど、その結果から導きだされる仮定はなかなか面白い。以前の私のエントリーから、その理由と結果を引用してみる。


佐賀のラーメン店は、昔ながらの「軒」の屋号を持つ店が他地域に比べ多いようです。

経済的には小さなマーケットゆえに、チェーン店等の外部資本に淘汰されてしまう確率も低かったのかもしれません。
が、それゆえに昔ながらのやり方に頑なにこだわり、時代の趨勢に左右されない姿勢を貫くことが出来たというのは、不幸中の幸いということでは片付けることの出来ない、佐賀人の佐賀への愛着のような気がします。


以前のリサーチでは、佐賀市の軒率はダントツのトップだったのだけど、現在はいかにと再リサーチしてみました。ちなみに、店舗数データ等は、Yahooの電話帳から拾いました。




市 名
ラーメン店数 a
軒が屋号につく店数 
b
軒率
b/a(%)


佐賀市
59
9
15.3


久留米市
87
5
5.7


北九州市
286
51
17.8


福岡市
400
21
5.3


長崎市
72
2
2.8


大分市
132
12
9.1


熊本市
193
4
2.1


宮崎市
117
13
11.1


鹿児島市
196
1
0.5




げっ、案の定、北九州にトップの座を奪われています。佐賀市と久留米市の「軒率」の低下には著しいものがあり、寂しくなる限りですが、北九州の「軒率」が案外と落ちていないのが意外といえば意外です。古き良きラーメンを食べるには「北九州へ行け」ということなのでしょうね。


私が盲目的に思い込んでいる、佐賀ラーメンの「滋味哀愁」という定義は、疑いもなく近い将来には淘汰されてしまうのでしょうかねぇ、つるべ落としの秋の夕陽のごとく・・・。


ついでにもう1個、再リサーチをコンプリートしてみました。

それは、各都道府県別の人口当たりの「ラーメン店」と「焼鳥店」の店舗率。上の「軒率」もそうなんですが、ラーメンをお店で出していても、電話帳の登録が「中華」や「食堂」になっていたり、屋台のように電話がなかったりするケースもあるんで、。正確さには疑問符も付きますが・・・。

前回リサーチ (2003.01.16調)

今回リサーチ (2007.10.14調)

佐賀県のラーメン店率は、前回18位、今回21位とさほど変化はないようですが、県全体で30店ほどお店は減っているようです。思ったよりは少ない減少率は、FC店やチェーン店の開店が穴埋めをしているからなのでしょうかねぇ。

それにしても前回も今回も、福岡県・佐賀県が「焼鳥店率」でワンツー・フィニッシュしているというのは、ものすごい。

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